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呼吸を合わせた連携を行っています(呼吸器内科・呼吸器外科)

広報たからづか10月号と11月号に呼吸器内科医師、呼吸器外科医師のインタビュー記事が掲載されました。ここでは記事のノーカット版を掲載いたします。

診療部長 兼 呼吸器外科主任部長
長谷川 誠紀
副院長 兼 呼吸器内科主任部長
片上 信之

呼吸器内科プロフィール

若手医師から経験を積んだ医師まで10人が在籍しています。
1人の患者さんに対して複数の医師が対応する複数主治医制を導入し、呼吸器内科カンファレンスを週に4回行うことで密な情報共有を行っています。

呼吸器外科プロフィール

呼吸器外科学会専門医の資格を持つ経験豊富な医師2人が在籍しています。
入院患者さんへの回診、手術など、ほとんどの業務をペアで行い、迅速な意思決定をしています。

Q どのような患者さんを診察していますか?

片上 呼吸器内科では、外来では肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、喘息、肺炎などの疾患を持つ患者さんを診察することが多いです。入院では肺がん、肺炎の順に患者数が多く、肺がんの場合は、気管支鏡検査などで肺の組織を取り出して診断を確定したり、初回の抗がん剤治療を入院で行い副作用の確認を行っています。

外来診療の前日から予習を行います

長谷川 呼吸器外科ではほとんどの外来患者さんが、手術の対象となる疾患を持つ方か術後の方です。悪性疾患で圧倒的に多いのが肺がんで、次が縦隔腫瘍(右肺と左肺の間に挟まれた「縦隔」にできる腫瘍で、肺腺腫が代表的)です。良性疾患では肺に穴があく気胸、肺の周りに膿ができる膿胸の患者さんが多いです。術後の外来では、経過を診察したり、再発のチェックを行います。

Q 呼吸器内科と呼吸器外科の特徴を教えてください

片上 呼吸器内科では、呼吸器全般の内科的治療、診断を行っています。当院の治療方法はさまざまで、治験という選択肢もあります。近年、新しい超音波診断装置を導入したことで、超音波で病変を確認しながら針を刺し入れて組織を採取するエコーガイド下生検ができるようになるなど詳細な検査が可能です。

長谷川 呼吸器外科では、呼吸器全般の外科治療を行っています。手術方法は主に2~3か所の小さな傷からカメラと手術器具を挿入して手術する胸腔鏡手術を基本的には行っています。開胸手術と比べて術後の痛みが少なく回復も早いことが利点です。肺がんに対しては、がんがある肺葉(5つに分かれている肺の一つ一つの部位)のみを切除する肺葉切除術が標準的な術式ですが、近年では患者さんの状態に合わせて、腫瘍がある区域や部分のみを切除する区域切除や部分切除を選択することもあります。

Q 呼吸器内科と呼吸器外科はどのように連携していますか?

片上長谷川 毎週水曜日の朝に呼吸器内科、呼吸器外科、腫瘍内科、放射線治療科で肺がん患者さんに関するカンファレンス(情報を共有し、今後の方針を話し合うこと)を行っています。病気の範囲や進行度などに応じて、手術、抗がん剤治療、放射線治療のうち、どの治療方法をどのタイミングで行うか患者さんごとに検討しています。数年前からは、切除不能の肺がんだと診断された場合でも、抗がん剤治療や放射線治療により腫瘍を小さくした後に根治を目指して腫瘍を切除するコンバージョン手術も行っています。

カンファレンスの様子

Q 他に連携することが多い部署を教えてください

片上 呼吸器内科と連携することが多いのは栄養管理室です。がん患者さんは、がんの症状や治療の副作用により食事摂取量が十分ではなくなったり、食べ物が飲み込みにくくなることがあります。そのため、入院中や外来受診時に、管理栄養士が症状に応じて食事に関する栄養相談を行っています。また、リハビリテーション室との連携も大事で、セラピストががん患者さんに特化したリハビリを行っています。

長谷川 呼吸器外科と連携することが多いのは病理診断科です。手術前に腫瘍が良性か悪性か確定していない場合などに、病理医に依頼し手術で切除した腫瘍を用いて短時間で病理診断をしてもらい、診断結果に基づいて切除範囲を決定することを手術中に行っています。また、手術を安全に行うことができるよう麻酔科とも密に連絡をとっています。

Q 地域のみなさまにメッセージをお願いします

片上 今年度、呼吸器内科は医師を増員しました。これまで以上に地域の方々の要望に応えられるよう、救急対応だけではなく、慢性疾患、がん、良性疾患などの診療に励みます。

長谷川 「自分や自分の家族が受けたい医療を提供すること」を20年以上前からモットーにしています。基本的に治療にはガイドラインやルールがあるので、その中で最大限工夫をして最良の医療を提供し、最善の結果を出していきたいと考えています。

呼吸器外科医師と病棟スタッフ

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